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年金の受給資格期間が25年から10年へ、新たに64万人の受給権が発生!

こんにちは、青森の社会保険労務士、本田淳也です。

新聞等でご存知の方も多いと思いますが、8月1日より年金の受給資格期間が25年から10年に短縮されました。
これに伴い、新たに64万人の受給権が発生することとなります。
加入期間が10年以上ある方については、日本年金機構から黄色封筒「年金請求書(短縮用)」がすでに届いていますが、
今後、10年未満の方にも改正内容のお知らせ文書が送付されるようです。

なぜかというと・・・。
年金には「合算対象期間」(以下、カラ期間)という、受給資格期間に含めることはできるが、年金受給額の算定対象にはならない期間があるからです。
つまり、加入していた期間には加算されるが、受給できる金額は変わらないというもの。
このカラ期間が以前にも増して重要だと言われるのは、現在、加入期間が10年未満の方でも、カラ期間の年数によっては、10年以上、または25年以上となったり、さらには過去にさかのぼって年金受給可能なケースもあるからです。

このカラ期間とは、任意加入できるのに加入しなかった期間等などであり、例えば
・昭和61年3月以前にサラリーマンの配偶者だった期間
・平成3年3月以前に学生だった期間
・海外に住んでいた期間
・脱退手当金の支給対象となった期間

など

このカラ期間は、年金制度に加入していない期間のため、日本年金機構でも把握していないようです
つまり、本人がカラ期間を証明する書類を添付して、年金請求を行うこととなるのです。
チョット難しいなと感じるのが、
そもそも複数あるこのカラ期間の内容を理解できるかという事、当時の証明書類があるかという事。
難度が高いように感じるものの、高齢で苦手だと思う方は息子さんなどに調べてもらい、何度でも年金事務所に確認するべきでしょう。
毎月数万の年金受給があるとないとでは、年数を経過すればするほど、生活の経済負担が大きく変わってきますので。

年金制度は構造上、本人の生活に大きな負担が及ばないよう激変緩和措置が取られ、長い期間をかけて少しずつ変更されます。
そのため制度が複雑になるのは致し方ないものの、宙に浮いた年金記録2,000万件もそうですが、本人からの申請で受給の可否が決まるのではなく、権利のある方はきちんと年金を受給できるような、全ての人が納得する「公平」な制度にしてもらいたいものです。

社会保険労務士 本田淳也(青森市)







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