人手不足

人手不足

労働力人口の減少、緩やかな景気回復により「6割の会社が人手不足」

「ひとがいなくて困ってるじゃー」、「やっと一人前になった頃に辞められて大変だ~」、最近、経営者と話をしていると、こんな話題になる事が多くなりました。
今後の会社経営に一番必要なのは「人材の確保と成長、プラス満足度」だと考えています。理想は定年退職まで勤務してもらうこと。それには他社には負けない魅力ある会社でなければなりません。少子化対策に即効性のある対策はないと言われますが、会社の人材不足も同じです。でも、時間をかけて少しずつ改善していくことは可能。
経営者が本気で取り組みことが必須ですが、人材不足に負けない同業他社より一歩リードした会社を目指しませんか。

全国的な人手不足

平成29年7月3日、日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」では、全国2776社の中小企業のうち、6割の企業が「不足している」と回答しています。特に回答が多かった業種は、宿泊・飲食業、次いで運輸業、介護・看護、建設業など。
また、「人手不足が原因の倒産件数」は4年前の2.9倍に増加、そんな衝撃的な数字を帝国データバンクは公表しています。全体の倒産件数に対しては1割にも満たない「人手不足倒産」ですが、今後さらに加速していく可能性は否めません。

会社の喫緊の課題は「人材確保」

商工会議所の調査では、68.7%の会社が人員不足による影響が出ている(もしくは懸念される)と回答し、また実際に「仕事はあるけど、従業員を確保できない」、そんな声をよく聞きます。求人を出しても応募が来ない、採用してもすぐ退職する・・・このような会社の場合、売上を確保するためには、今いる従業員に頑張ってもらうしかありません。
過度な長時間労働や休みが取れないといった労働環境では、従業員の不満がたまり退職につながりやすくなる。そうすれば、さらに人手が不足してしまい、負のスパイラルに陥りいます。そんな状態にならないためにも、早め早めに対策を打つことが重要でしょう。

10年後はどうなる?

前述の日本商工会議所の調査では、「数年後(3年程度)の人員の充足感の見通し」については、「現在と同程度の不足感が続く」との回答が52%で最多。さらに「不足感が増す」との回答も39.8%となっています。
青森県内も例に漏れず人手が不足している上、高校卒業後に県外就職する割合が42.2%(平成27年)で、全国4位となっている状況を考慮すると、年々人手不足は顕著になっていくのではないでしょうか。

「ひと」を大事にする経営

退職者がいなく人員を募集する必要がない、という会社がある反面、離職率が高く、年中募集をしている会社もあります。同じ業種でもこのような差が出るのはなぜでしょう。
「本気で従業員を事を考えて経営している」。双方の経営者とじっくりお話しをすると、その差を痛感します!その方法は会社により様々で適切な答えというものはありませんが、今後の会社経営で一番大事な事だと強く感じます。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助(現パナソニック創業者)は、こう言います。
「事業は人なり、どんなに素晴らしい技術やノウハウがあっても、どんなに優れた機械や設備があっても、どんなに立派な組織があっても、 人が育っていなければ事業は発展しないのだ」、と。また、昭和40年に日本初となる週休2日制を採用した理由も、「1日はしっかりと体を休める休養日、残りの1日は自分を高める時間にあてる教養日」。
人を大事に育てる、当たり前の事のようですが、その重要性を改めて痛感します。

青森県内における中小企業の現状と対策

20年後には青森県の人口は30%程度減少します。
青森県でも人口減少を最重要課題と位置づけ、多くの対策を実施。が、効果の程は不透明な状況です。人口減少が進むと経済が縮小し、会社の業務量は減ってくると推測しますが、それより先に労働力人口減少による人手不足が目に見えてきます。多少の景気回復も輪をかけているようです。
会社がとれる対策としては、従業員が働きやすい労働環境を作るということ。根気が不可欠だし、時間と経費もかかる。それでも現実を直視して必要な対策を打つ。数年後、大きな差が出るのは間違いなく、その差は経営に多大なる影響を与えるでしょう。

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