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野球部だったのに、なぜか卓球がバツグンに上手い、青森市の社会保険労務士、本田淳也です。
会社の業務内容によっては、危険な仕事もあります。
建設現場、高所での作業、危険物を取扱う作業、機械を使用する作業など。
一歩間違えると大事故につながる現場では、十分安全に気を付けて作業しているものの、日々の慣れが、意識の緩みや確認漏れにつながり、残念ながら毎年一定の労災事故が発生しています。
もし皆さんの会社で、大ケガや死亡事故といった労働災害が発生したら、どのような責任が発生するでしょう。
とりわけ小規模な事業所の多い青森の会社では、事業継続が困難となるケースも考えられます。
大きな労災事故発生により従業員を全員解雇せざるをえなかった・・・そんな事態にならないよう労働災害の概要に触れてみます。
① 刑事上の責任
② 民事上の責任
③ 補償上の責任
④ 行政上の責任
⑤ 社会的な責任
この5つに分けられると思います。
それではひとつずつ見ていきましょう。
労働安全衛生法では、労働者の危険を防止するための措置を事業者へ義務付けており、労働災害発生の有無を問わず、これを怠ると刑事責任が課せられます。
最近、労災事故発生で労基署から書類送検された例
現場責任者が印字かすれの不具合を直す目的で、機械を止めずにネジを調整しようとしたところ、ジャンパーの左袖を巻き込まれ、左腕を切断した。
労働者が機械の調整を行う際に危険防止対策を講じなかったとして、セメント袋製造業の東海紙袋(株)と同社山梨工場の現場責任者を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で甲府地検に書類送検した。
自社倉庫屋根の雪庇落とし中に墜落し、労働者が死亡。
安全帯を使用させるなど墜落の防止措置を講じなかったとして、米の卸売業を経営する(株)丸ヨ吉住商店と同社代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反容疑で札幌地検滝川支部に書類送検した。
木造住宅建築中、2階の梁から墜落し、労働者が死亡。
安全帯などの墜落防止措置を講じなかったとして、建設業の(株)ホーミングと同社取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。
また業務上、労働者の生命、身体、健康に対する危険防止を怠り、労働者を死傷させた場合、業務上過失致死罪(刑法第211条)に問われることになります。
このように、刑事上の責任だけみても、会社経営に大きな影響をもたらすこととなります。
次回に続く・・・
社会保険労務士 本田淳也(青森市)
大ケガや死亡事故といった労働災害が発生したら・・・会社の責任はどうなる?~その二~ →