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社会保険未加入事業所への適用促進対策、更なる強化について!

岩場で小さなカニを取るのが得意な、青森市の社会保険労務士、本田淳也です。

ご存じの方も多いと思いますが、2年程前から社会保険未加入事業所が問題となっています。

適用事業所を簡単に説明すると・・・

~強制適用事業所(加入が義務)~
・法人の事業所
・個人事業所で従業員5人以上

 ※任意適用事業所除く

~任意適用事業所(加入は任意)~
 個人事業所で以下の事業
・第1次産業(農業、林業等)
・サービス業(飲食店、理美容業等)
・法務業(社労士事務所等)
・宗教業(神社、寺院等)

上記のように、多くの事業所が加入を義務づけられています。

平成27年9月末時点で未加入のおそれがある事業所は79万件ありましたが、平成29年2月末時点では52万件まで減少。
今後は52万件の事業所について適用促進対策を強化していくようです。

具体的には
①新規事業所対策
未適用の事業所が多い業種への対応として、地方自治体等が行う新規営業許可申請時等に社会保険の加入状況を確認する。対象事業としては、飲食業、食品製造業、理美容業、社会福祉事業など。
②既存事業所への対応
加入指導を効率的に行う観点から、平成29年度前半にモデル年金事務所において、専門家を交えて、様々な取組を実施した上で、効果的な取組を集積し、全国展開を図る。
③市町村国民健康保険との連携
国民健康保険の加入手続を行う者が自ら社会保険の加入要件等を確認し、必要に応じ、年金事務所に相談できるようにする。

その他にも、6ヵ月ごとに行っていた源泉所得税の納付確認が毎月となるようです。

実際のところ、社会保険に加入した場合、人件費に対し約15%の会社負担が発生するため、理屈では分かっていても、なかなか加入できない会社も存在します。
会社が存続してこそ、従業員の雇用が守れるという考えもよく分かります。

しかしながら、厳しい経営状態でありながら、試行錯誤しつつ社会保険料を捻出している会社が数多く存在するのも確かであり、公平性という観点からも加入は致し方ないのかも知れません。

法令順守は必要だと思いますが、ただひとつ言いたいことは、一律にすべての適用事業所に加入を促進するのであれば、一番大事な「雇用を守る」という点にも十分配慮いただき、ある一定の猶予期間や助成制度を設けてもらいたいものです!

社会保険労務士 本田淳也(青森市)
~社会保険制度はお任せ~







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