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会社の経営状態を把握できるツールとして、経済産業省がホームページ上で提供しているのが「ローカルベンチマーク」(以下、ロカベンという)であります。
いわゆる会社の「健康診断」として位置づけられ、課題の早期発見、その対応策を支援するツールとして活用できるとされています。
それでは、どのような特徴があるのかみてみましょう。
まず、エクセル形式のファイルをダウンロードした後、決算書等の数値を「黄色マーカー」の部分に入力していきましょう。
この際、「業種大分類」と「業種小分類」を選択する必要があります。
クルマ屋さんは以下となります。
・自動車販売業の場合(新車、中古車含む)
業種大分類→「05小売業」
業種小分類→「0501小売業」
・自動車整備、板金塗装業の場合
業種大分類→「10サービス業」
業種小分類→「1006その他のサービス業」
ちょっと広めの業種枠ではあるものの、その業種の基準値と比較できるので参考になるでしょう。
そして、数値で分析できる項目が以下となります。
①売上高増加率・・・売上持続性
②営業利益率・・・収益性
③労働生産性・・・生産性
④EBITA有利子負債倍率・・・健全性
⑤営業運転資本回転期間・・・効率性
⑥自己資本比率・・・安全性
ここまではよくある財務分析ツール。
ですが、ロカベンはさらに「非財務情報」を入力する欄があります。
①経営者について
経営理念、経営意欲、承継者の有無など
②事業について
企業および事業沿革、強み、弱みなど
③企業を取り巻く環境・関係者について
市場動向・規模・競合他社との比較、顧客リピート率・新規開拓率、従業員定着率・勤続年数など
④内部管理体制について
組織体制、事業計画の有無・従業員との共有状況、人材育成の取り組み状況など
これらの項目について、経営者がひとつずつ考えながら記入していくわけです。
たとえ経営者の頭の中になんとなくのイメージがあったとしても、文章としてまとめることで再認識できる部分もあるでしょう。
そしてその内容をもとに、現状を認識しつつ、将来の目標を定め、課題や対応策を図るというもの。
最初に紹介した決算数値をベースとする財務分析は現状把握に有効。
でも、なにより大事なのは課題をクリアするためにその後どのような行動を起こすか。
財務分析だけではなんの意味もありません。
課題を解決するには時間も労力もかかります。
粘り強さも必要でしょう。
しかし、企業間の競争が激化している昨今、「非財務」の重要性を認識している会社こそが、同業他社より一歩リードする「打たれ強い組織」になるのではないかと感じています。
~仕事をもっと、おもしろく!~
社会保険労務士/自動車整備経営コンサルタント 本田淳也