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社労士の視点からみた雇用調整助成金

支給額は休業手当の9/10ではない!
申請時の注意点はここ!

新型コロナウイルスの影響を受け、大変な苦労をされている方々へ向け、「社労士の視点からみた雇用調整助成金」を書きました。
5/10に発行する青森商工会議所の会報誌“かけはし”に掲載される原稿ですが、早い方がいいかなと思い、許可をもらってアップしています。
ここでは軽く書いておきます。

景気の後退といった経済上の理由により、雇用調整を行わざるを得ない会社が従業員に対して一時的に休業等を実施して雇用を維持した際に、休業手当の支払いを条件に支給される「雇用調整助成金」(以下、雇調金という)。
リーマンショックや東日本大震災の時に多くの会社が支えられた助成金です。

今回の新型コロナウイルスでも対象となるばかりか、大幅な特例措置(図表)があり、一定の影響を受けている事業所であればかなりの確率で該当するでしょう。
対象の目安は図表を参考にして下さい。
ここでは雇調金の対象事業所に該当するという前提を元に、誤解されている点や注意すべきポイントについて解説していきます。

 誤解ポイントのトップ

助成率9/10をご存じの方は多いと思います。が、誤解がとても多い個所であり、実際に従業員に支払った休業手当の9/10が雇調金から支給されるわけではありません。
つまり9割支給されて1割が会社負担ではないのです。
雇調金の休業手当は、以下のふたつのパターンに分けられ、基本的に連動していません。

①会社から従業員に支払う休業手当(個別に平均賃金を算出)
②雇調金で会社に支給される金額(事業所全体の平均)

従業員への休業手当は労基法26条に従って個別に計算し、各々に支給するのに対し、雇調金の場合は、前年度の雇用保険適用者分の賃金がベースとなるため、“事業所全体”でひとつの基礎となる単価が決定します。
ちょっと複雑ですが、目の前の問題として従業員に支払う休業手当に対し、雇調金からの支給額を前もって把握しておかないと、資金繰りに大きな影響を及ぼします。
活用を検討する際、概算でもいいので事前にシミュレーションすることをお勧めします。

 資金繰りはここも注意

雇調金の申請は基本的に給与の締日ごとに対象期間を決めます。
例えば、「月末締め翌月10日支払い」の会社であれば、対象期間は4/1~4/30となり、申請は5/10以降になります。
現在、申請から支給決定通知まで“1か月程度”とされていますが、緊急事態宣言の全国拡大の影響もあり、さらに込み合っていると聞きます。資金繰りには余裕をもって申請しましょう。

添付書類としては、賃金台帳や出勤簿、労働条件通知書等が必要となりますが、給与明細の写しや手書きのシフト表などでも対応可能となっています。

最後に、苦しい経営状況になっている皆さんに対し、ひとり一人が強い支援の意識をもっていただけると嬉しい限りです。アイディアと行動力で踏ん張りましょう!

以上、部分的な説明ではありますが、かけはしに寄稿させていただきました。
雇調金の制度はとても複雑です。
とはいっても田舎にいけばいくほど、小規模経営者であっても自力で申請しなければなりません。

思いついたポイントを書いておきます。
・従業員に支払った休業手当の9/10が雇調金から支給されるわけではない。ここは連動していない。資金繰りを考えれば事前にシミュレーションをすべき
・雇調金の支給は休業手当を支払ったあと。資金繰りには注意を
・平均賃金を算出する際、時給の方は最低保証がある
・所定労働日数の意味をネットで調べ確実に理解する
・休業日数と手当額がきちんと分かるように給与明細に書く(月給は欠勤控除で)
・助成金との併給調整あり(特開金対象者は利用不可)
・ハローワークや労働局にドンドン質問する

賃金が低く、パート労働者の多い青森県の場合は、1日あたりの上限8,330円に達しない事業所も多く、雇調金支給額が従業員に支払った休業手当を上回るケースもあるでしょう。
意外なところで田舎は有利です!踏ん張りましょう!

社会保険労務士 本田淳也(青森市)







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