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毎月コラムを連載している自動車流通新聞ですが、8月は特集「自動車販売業界の働き方改革」に寄稿しました。
なので連載は休みです。
グーネット自動車流通サイトからもご覧いただけます。
~【特集】自動車販売業界の働き方改革はこちら~
ひとくちに「働き方改革」とはいっても、なんとなくのイメージしか沸かない、そんな経営者も多いのでないだろうか。
それもそのはず、ときには「働き方改革関連法」として使われ、またときには「働き方を見直す」という広い意味のときもあるから煩雑になりがち。
そこでシンプルでポイントを絞った「働き方改革のイメージ」を作成してみた。
まずは「①働き方改革関連法の遵守」。いわゆる4月から施行された法律を指す。
年次有給休暇の確実な取得はすでに始まっているし、大企業においては時間外労働の上限規制もスタートしている。
それに伴って、労働時間の適切な把握や有給休暇管理簿の作成、36協定届の新様式への移行などやるべき事も多々あり、より一層煩雑さが増してくる。
とはいっても時期や形式が決まっているものなので、外部専門家に確認したり、厚労省の働き方改革特設サイトを参考にしたり、または働き方改革推進支援センターに聞いて進めるといいだろう。
そして同時に進めなければならないのが「②仕事内容や職場環境を見直す」こと。
アプローチする手法が数多く存在し、実際に効果が見えるまで一定期間を要するが、これからの会社経営に欠かせないもっとも重要な部分である。
例えば「生産性の向上」には、機械の導入や外国人労働者の活用等がよく挙げられている。
が、まずは現有する従業員の働き方を見直すことから踏み出そう。
なぜなら今すぐ始められるし、お金もかからず、なによりもっとも大きな効果が期待できるからだ。
この点は普段から取り組んでいる積極的な会社もあるだろう。
実際の取り組みには様々な方法があるものの、私がお勧めするのはトヨタ式「改善」である。
業種問わず、事業規模も関係ない。根気良く続けていけば大きな効果が期待できるはずだ。
キーワードは「日々改善、日々実践」。
何事にも「このやり方がベストなのか」という意識を持ち、ひとりひとりがより良い方法を考え改善していく。
ムダな仕事はないか、モノを探している時間はないか、部署間の連携は取れているかなど、実践すべきことは山ほどある。
「気づき、学び、成長」のサイクルを意識しながら進めると理解しやすいと思う。
次の「従業員満足度の向上」については、従業員に要望や不満を聞くのがもっともスムーズで効果的。
当然ながら、できる・できないが出てくるが、なるべき善処することにより働きやすい職場環境を形成することができる。
意外とささいな要望であることも多く、例えば、整備工場の暑さ対策に飲料水やミネラル補給品の支給、寒さにはインナーウェアやハンドクリームの支給といったさほど費用のかからない対応でも整備士にとってはありがたいもの。
費用の多寡に関わらず、会社の思いやりも充分伝わるから常日頃からの実践をお勧めしたい。
「③どう変わる」については、会社にとっても従業員にとってもプラスの作用しか考えられない。
作業スピードが向上、人手不足も解消、部署間の連携がスムーズ、活気があり従業員のモチベーションが高い。
それにより「④その結果」、従業員の高い能力で同業他社との差別化が図られ業績が上向くため、労働条件や職場環境もより一層向上できる。
これだけでも他社より一歩リードした組織となれるが、そのほかにも強みがある。
じっくりと事業を通じてひとを育て、そのチカラで差別化を図っているからこそ、いざ他社がマネしようと思っても一筋縄ではいかないのだ。ここも大きな特徴と言える。
「働き方改革」を実践していく時、まずはこんな感じでおおよその全体像をイメージすると進めやすい。
そして会社の社風やスタイルによってアウトラインを変えつつ、最終目標をどこに設定するのかを明確にすると良いだろう。
大転換期を迎える自動車業界だからこそ、労使共に納得する「働き方改革」が欠かせない。
~仕事をもっと、おもしろく!~
社会保険労務士/自動車整備経営コンサルタント 本田淳也
自動車流通新聞連載コラムFile4・・・やりがいを感じられる会社へ ~「自動車会社の働き方改革」~はこちら↓