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こんにちは、社会保険労務士の本田淳也です(青森市)。
今回は自動車流通新聞9月コラムのご紹介です。
名称だけは多くの方が知っている労働基準法。
ただ、就業規則と同じように趣旨や全体像はあまり知られていなく、また法律以外の守る理由?をご存じでしたでしょうか。
労基法の基本を解説していきましょう。
働く人に関する法律は数多くあり、それらを総称して「労働法」と呼んでいますが、その中でも実務上よく出てくるのが労働基準法です。
同法は労働時間や休憩、休日といった重要な労働条件の基準を定めているもので、熟知していないと労務管理や給与計算は出来ないと言ってもいいでしょう。
この法律の特徴は、労働に関する様々なものに対し最低限の基準を定めているということ。
例えば8時間超えの残業時間は25%増で支給、労働時間6時間超え8時間以内なら休憩は少なくとも45分与える、週に1日は法定休日が必要など、労働者の安全や健康を守るための基準が決められています。
繰り返しになりますが、ポイントとなるのは、定められている数値が「最低基準」であること。
なので、それ以上の数値を定めるのは問題ない・・・というよりむしろ推奨されています。
例えば、残業割増は25%ではなく50%でもいいし、週の休日は2日でも3日でもいい。
よく整備工場で昼1時間休憩のほかに、午前と午後にも15分ずつ設けている事業所もありますが、8時間労働の場合は休憩が少なくとも45分あればイイので、それを上回る1時間30分としても労基法上の問題はありません(ちなみに8時間超えは休憩1時間)。
近年の労基法の改正で、中小・小規模事業者に大きな影響を与えたのが有給休暇年5日取得義務です。
月給者だけならまだしも、時給労働者が多い事業所では確実に人件費がアップします。
現状、法律だからやむなく従っている会社もあれば、中にはこれから対応するという事業所もあるでしょう。
ただ、よく考えてみてください。リードで「法律以外の守る理由」と述べました。
労基法は最低限の基準を定めているだけです。
少なくともそれを遵守できなければ人手不足の昨今、労働者はなかなか集まらず、また長続きもしないでしょう。
つまり法律だから従うのではなく、労働者の働きやすい条件や環境を整えるために遵守するのです。
特に労働条件の厳しい地方にいけば、労基法を守っている会社はそれなりにしっかりした会社であることが多いように感じています。
皆さんの会社はいかがでしょうか。
従業員が何も言わないからOKではなく、少しずつ不満が溜まっているケースも数多くありますので、積極的に働きやすい職場環境の形成に努めていただければと思います。
社員がイキイキ働く組織づくりを目指す
社会保険労務士/自動車整備コンサルタント 本田淳也(青森市)