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りんごの収穫作業後、1週間「腰」が痛かった、青森市の社会保険労務士、本田淳也です。
先日、2年ぶりに知り合いのりんご農家経営者から収穫助っ人の依頼が来ました。
経営者が高齢による体調不良で作業ができない上、収穫するりんごがまだ大量にあり、さらには雪も降り始めた・・・と言われると断る理由が見つからず、週末1日だけ朝6時に自宅を出発。
雨が降り続く厳しい寒さの中、カッパに長靴、ビニール手袋、帽子、腕抜き、ネックウォーマー等で完全防備し、多少明るくなった7時から総勢15名以上で作業開始。
大量のりんごを目の当たりにしつつ、脚立を使いながら5本の指を器用に使い、収穫カゴにどんどん入れていく。カゴがいっぱいになれば3~4kgほどになり、かなり重い・・・。
何度か経験済みのため、作業スピードは人並み以上だと思いますが、なにせカラダが・・・
そんな重労働を60代の女性でも当たり前のようにこなしています。
最高年齢は73歳位、この道40年以上のベテランですが、スイスイと動く様子見る度、事務仕事でどれだけカラダがなまっているかを痛感し、また毎日片道40分の徒歩通勤程度では通用しないと思い知らされます!
作業が終わった16時30分頃には、まさに疲労困憊・・・かっこ悪いので疲れていないフリをしていましたが・・・
普段どれほど恵まれた環境で仕事をしているか・・・”雨風”や”寒さ”を気にしなくていい、朝も9時始業、シャツまで濡れることなんてまずない、ぜひ皆さんの仕事と比較してみて下さい。そして、できれば一度でもいいので体験してみて下さい。
そうすれば、今の仕事のありがたさを感じる方もいるのではないでしょうか。
りんご農家が重労働になるのは収穫時期だけであって、その他は軽作業が中心となるものの、朝7時始業や雨風の中での作業は変わりありません。
そんな状況でありながらも、従業員の収入は最低賃金に近いケースが多く、また経営者の取り分もそれほど多くないと聞きます。
さらには、後継者不足や若い人が極端に少ないという問題もあります。
もっと言えば、「法人だから社会保険強制加入」という悩ましいことも・・・
青森県の基幹産業である農林水産業全般に言えることだと思いますが、流通の問題を踏まえながら、業界で生産者および従業員の収入増に取り組む必要性があると強く感じます。
また法令についても、天候に大きく左右される特殊事情を考慮し、画一的に求めるのではなく、今以上の適用除外や特例措置があってしかるべきでしょう。
一番苦労しているのは、生産者や従業員であることは間違いありません。
近い将来、そんな苦労が報われる業界となり、第一次産業に魅力を感じた後継者や若い人が多く参入・就職するようになってほしい、そう切に望みます!
社会保険労務士 本田淳也(青森市)